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最近サブスクって言葉よく聞くけど何がすごいの?月額課金と何が違うん?
サブスクの売り上げが大きい企業とそれ以外の企業と比べると8倍の成長に差があると言われている。最近では乗り物や、メディアなど様々なモノがサブスクリプションを始めていて、「こんなものまでサブスク?」ってことが増えてきた。
サブスクリプションはユーザー側も得をし続ける、提供側も利益も上がるし、収益安定、大胆に投資できる。という両者ウインウインの関係が作れるといわれている。
現在過去メンタリストとしてテレビで大ブレイクしたDaigoさん自身が現在『Dラボ』というサービスをつくり、サブスクリプションで大成功を収めている。
彼曰く、今は個人が企業にも勝てる時代とのこと。日本においてこれまで個人でサブスクリプションをやる人がいなかった。彼はそれをやって現在有料会員は20万人。月最低でも600円程度で提供しているのでエゲツない収益だ。
今日はそんなDaigoさんからサブスクリプションの正体とその事例について学んできたので自分のためにもここに記す。2回に分けて紹介するが今回は第1回ということでサブスクリプションというビジネスモデルの正体についてご紹介していきたい。
サブスクリプション企業を読み解く5つのポイント
取り入れる企業が多くなったサブスクリプションはポイントとして5つ挙げられる。今日はこの5つのポイントに焦点を当てて紹介していく。
- 製品から経験の提供への変化
- プロダクトファーストからカスタマーファースト
- ハードウェアからソフトウェアへ
- Iotから永遠のベータへ
- 財務指標からARRへ
製品から経験の提供への変化
映画DVDでの一例。人は少し前シアタールームに憧れた。お金持ちがシアタールームをつくり、そこにいい音響システム、いいテレビ、いいソファを置いてDVDやBlu-rayのコレクションを置いて映画を楽しむ。
でも今はどうだろう。
NetflixやHulu等のサービスが普及してきて、自分が観たい映画をどこでもいつでも見られる。DVDの入れ替えやシアタールームへの移動、そんなもの必要ない。もちろん大きい画面、いい音響で聴けるのはいいかもしれないがスマホも進化してきていて別にスマホで見ても全然いい。シアタールームのソファなんていらない。いつでもどこでも映画を楽しむことができる。
僕たちが欲しかったものは映画そのものではなく、映画を観た後に感じる満足度や体験がほしかったんだ。
今までは形のある商品が欲しかった。DVDのコレクション。でもそんなもの本当は必要なくて僕らは体験がしたいだけなんだということに気づいた。DVDをコレクションするのではなく、レンタルするのもなく、見たい時にいつでも見られる動画配信サービスが普及した。
よって物を提供するのではなく経験を提供するのが今求められていることなのだろう。
もちろんいい環境で、シアタールームで、映画館で見るのも体験だ。でもそれよりもボク個人としては手軽に映画を見たい。そんな人が多いということがサブスクの加入者が増えている要因だろう。
Amazon Primeもいい例だ。Amazonは映画DVDが買える。購入したら2日程でDVDが届く。そのDVDをデッキに入れて再生すれば映画を見ることができる。でもPrimeビデオを使うと購入したらその場でデジタルデータで映画を見ることができる。利便性の提供。Amazonは音楽だろうが、映像だろうが、野菜だろうが洗剤だろうが、電化製品だろうが、何でも手に入る。
Amazonは何屋ですか?と聞かれた時答えるのは難しい。それは物を提供してるからではなく経験を提供しているからだろう。
プロダクトファーストからカスタマーファーストへ
これまでは、下記の流れが主流だった。
- STEP
企業が物を作る
- STEP
マーケティングをする
- STEP
消費者が購入
でも今は世の中の消費者が本当は何を必要としているのかを考え、作り、それを売るということが大切になっている。
これがプロダクトファーストからカスタマーファーストの考え方だ。
車の父とも言われているヘンリーフォード。フォード・モーターを創設し、車がまだ一部の富裕層のみの高額商品であった時代に「T型フォード」という一般所得層であっても所有できる車を販売して乗用車の普及、大衆化を促進した偉人として知られている。また、ライン方式という大量生産方式を確立し、交通と産業に革命を起こした。
彼の名言にこんなものがある。
「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう。」
ヘンリーフォード
マーケティングは顧客が欲しいと望むものを理解するところから始まる。でも実際のところは、「人は自分の欲しいものを本当にはわかっていない」というところを理解することなのだ。
『馬が欲しい』のではなく『早く移動したい』というのが顧客が本当に望むものとヘンリーフォードは理解した。そして当時、一般的な移動手段であった馬より早い物を作ろうとして産み出されたものがフォードの車だ。
ボクはApple製品を愛してやまない。故人であるスティーブ・ジョブズはこんな言葉を残している。
“Some people say, give the customers what they want, but that’s not my approach. Our job is to figure out what they’re going to want before they do.”(ある人たちは「顧客の望むものを与えよ」と言うが、それは私のやり方じゃない。私たちの仕事は顧客が望むよりも先に彼らがこれから望むであろうものを理解することなんだ。)
スティーブ・ジョブズ
スティーブ・ジョブズが作ろうとしていたのは「まだ誰も見たことがないもの」。今でこそ当たり前になったiPhone。当時誰がiPhoneのようなモノを欲しいと考えていただろう。
この2人の名言からも読み取れるように「消費者がまだ気づいていないような新しい価値を提供する」ということがカスタマーファーストなのだろう。
ハードウェアからソフトウェアへ
今まではハードウェアの時代だった。でも今はソフトウェアの時代。
例えばiPhone。iPhoneは定期的にOSをアップデートする。アップデートによって電池持ちが良くなったりもする。アップデートの度に便利になり、進化し続ける。その便利さにより顧客満足が高まり、次もiPhoneを選ぶ。
モノを買ったら終わりではなく、消費者の声に合わせて進化していくということが求められてきている。
テスラもそうだ。アップデートによって機能が解放されていく。燃費が良くなったりもする。車であれば、シャーシ、タイヤ、エンジンを作ってるそれぞれの企業の部品を組み合わせて作成している。それぞれの企業の特許等があるため情報開示していない部分もありアップデートが簡単にできないのだろう。そこをテスラはアップデートする車を作ることで他社と差別化したのだ。車を売るのもスマホで出来てしまう。そして新しいモノをまた買うこともできる。買ったり売ったりのめんどくさいところを無くしてしまった。それがテスラ。
月額課金とサブスクリプションは別物。月額課金は進化しないサブスクであり、サブスクリプションは成長し続ける月額課金なのだ。
Iotから永遠のベータへ
Iot(Internet of Things)・・・モノとインターネットを繋ぐモノ。
電気をスマホで繋ぎ、操作したり等の技術ぶっちゃけボクの家ではIotすら採用されているものはない。あ、Amazon Fire TVくらいかな。ほんとそれくらいかな。カーテンを勝手に開け閉めしてくれるように設定したり、温度が下がってきたら自動的に暖房を作動させあげてくれるものや、湿度調整できるものまである。
Iot含め今まではモノやサービスを買ってそれをどう使うかだった。永遠のベータというのは商品を買って完結ではなく、使えば使うほどデータを集積し、改善されていくモノ。
カニエ・ウェストという有名なアーティストがいる。彼は永遠のベータの先駆けと言われている。2016年にアルバムを売ったのだがそれがサブスク形式での販売だった。「普通のアルバムは作って売る。」で終わり。彼のこのアルバムは次の月にアップデートされ、アレンジが変わったり、歌詞が変わったりする。ファンの意見を聞きながら一緒にアルバムを作っていくようなものだったのだ。
ゲームでも実際に提供開始前にベータ版としてプレイできるものがある。ベータ版でデータを収集し、改善点を洗い出した上で製品版としてリリースする。永遠のベータとは、この製品版すらもベータ版であり、常に改善点を収集しアップデートしていくというようなもの。
財務指標からARRへ
ARRとは、Annual Recurring Revenueの略で、毎年決まって得られる1年間分の収益、売上のこと。「毎年決まって発生する収益、売上」であり、初期費用や追加購入費用、コンサルティング費用などは含まれない。「年間経常収益」「年間定額収益」。年間契約のリカーリングやサブスクリプション、SaaSビジネスで用いられることが多い。ARRの推移を把握することで、そのビジネスの新規顧客獲得や定着、解約などの成長性を確認できる。
例えば年に一度製品を販売する会社があったとしよう。その年に一度の製品が売れたら収益はいいし、売れなかったら収益が悪い。マーケティングの手法にもよるがどれくらいの収益が出るのか見通しがつきにくい。よって次の投資も思い切ったものができにくい。
サブスクは大きな買い物ではなく、毎月毎月の小さい課金を積み重ねていく形だ。大きいお金だと消費者は悩むが小さい金額の積み上げは買いやすいし、退会しにくい。企業としても収支が見えやすいから将来を見据えた投資ができる。
サブスクリプションというビジネスモデルの正体
サブスクリプションというビジネスモデルは上述のポイントを全て含んでいる。
経験を与えるものであり、カスタマーファーストであり、アップデートされ続けるモノであり、購入してからもずっと進化するベータ版であり、ARRで成長性を確認できるものがサブスクリプションというビジネスモデルだ。それ以外は月額課金であると言えるだろう。
次回は実際に海外で行われているサブスクリプションの実例をご紹介していきたい。日本はアメリカに比べるとサブスクリプションサービスの普及はまだまだ低い。世界がどんなサブスクリプションを行っているかを知ることで未来のの日本の姿を予見することができる。
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それでは今日はこの辺で!
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